コルゲート燃料配管
- Takuya Matsuno

- 2 日前
- 読了時間: 6分
マツノ技研が『BRUGG Pipes』〈コルゲート燃料配管〉の
取り扱い·販売をスタート!

今冬、マツノ技研はドイツ·BRUGG(ブルック)社と提携し、『BRUGG Pipes』高性能·次世代燃料配管システム〈コルゲート燃料配管〉の日本市場における正規販売代理店として、新たな一歩を踏み出した。 二重構造による高い安全性と、ステンレス鋼という金属でありながら自在に曲げて敷設できる柔軟性を備えたこの配管は、欧米の厳格な標準化規格や安全基準をクリア。環境負荷を低減する設計も大きな特長だ。日本特有の地形や敷地条件、多様な環境においても、配管の自由度を飛躍的に高め、漏洩のない燃料プラントの実現に貢献する。マツノ技研が描く次世代インフラづくりに向けて——新たな挑戦が、いま動き始めている。
あらゆるシーンで“ユーザビリティの向上”を信条とするマツノ技研は、プラント開発のさらなる高効率化を目指し、新たに高機能アイテムの取り扱いを開始する。
配管——プラントの生命線
マツノ技研の主要事業である液体燃料プラントの設計·施工。その中でも配管は、人間に例えれば“血管”にあたる最重要要素だ。体内を無駄なくしなやかに張り巡らされているように、プラントの配管にも安定した流量·圧力を確保しながら、限られたスペースで最適なルートを形成する設計と施工品質が求められる。
「コンボルトタンクやマツノタンクといった、弊社が自信をもって提案する優れたタンクや供給設備があっても、それらをつなぐ配管が機能しなければプラントは成立しません」と松野拓也代表は強調する。配管は無数の方向転換を要し、その接続部·継手部などには高度な溶接技術が必要だ。漏れや詰まりは許されず、組み立ての品質こそ運用の信頼性を左右する。
壁——人材不足という課題
しかし現在、この高度な配管施工を担う職人は全国的に不足している。「新設·既設·改修を問わず、工事自体の進行に大きな支障をきたしているのが現実です」と松野代表。人材不足は工期の長期化だけでなく、場合によっては受注断念という企業の収益性にも影響する深刻な課題だ。また、人材不足は施工過程だけでなく、その後に続く操業においても直面している。
出会い——コルゲート燃料配管
そんな中、あるプロジェクトで使用した配管システムが松野代表の目に留まった。ドイツ『BRUGG Pipes』の〈コルゲート燃料配管〉である。ステンレス鋼(SUS316Lステンレス鋼材)製でありながら自在に曲げられる。しかも数百から数千メートルまで継ぎ目なく、現場の環境·条件に合わせて自由に長さの調整が可能だ。
「複雑な溶接作業を大幅に削減でき、作業者のスキル差に起因する不具合を防ぐことができます。それに、どんなに優れた職人であってもパーフェクトはありません。不具合につながるミスを起こさないのが当然の中で、この“曲がる燃料配管”という特長は配管工事に大きな可能性をもたらしてくれると感じました」
配管の敷設時間が圧倒的に短縮され、施工全体のスピードアップにも直結すると松野代表。

可能性——二層構造と漏洩検知
『BRUGG Pipes』〈コルゲート燃料配管〉には、もうひとつの大きな特長がある。それが“二重構造+漏洩検知機能”だ。用意される配管は2タイプ。〈FLEXWELL〉は二重のステンレス鋼パイプの外側パイプを空隙なく低密度ポリエチレンで被覆する構造。〈SECON-X〉はステンレス鋼パイプを低密度ポリエチレンで被覆した二重構造。〈FLEXWELL〉は内側と外側のステンレス鋼パイプの間に、〈SECON-X〉はステンレス鋼パイプと低密度ポリエチレン被膜の間に空隙があり、その空間の圧力を漏洩検知装置が測定。万一の漏洩が起これば即座に確認できるというシステムだ。
「配管の健全性を常時チェックできる。これは運用フェーズの省力化·安全性向上を重視する当社にとって非常に重要な機能です。地中に敷設するなど、目視が難しい状況下においては、これ以上にない安心·安全を約束してくれます」と松野代表。
AI監視システムの導入など、運用DXを推進するマツノ技研にとって、この配管はまさ必然の選択だった。
有益——次世代への選択肢
「〈SECON-X〉は軽油やガソリン、灯油などの既存燃料用として、ガソリンスタンドをはじめコスト重視の配管に。〈FLEXWELL〉はより保護性能が高く、さまざまな既存油種やバイオ燃料などの次世代燃料はもちろんのこと、メタノールなどの劇物を含んだ燃料や原料用配管に最適な選択となるでしょう。世界規模のデータセンターなどにも導入されており、それだけ信用度の高い製品なんです」と続ける。
地上·地下を問わず柔軟な配管が可能で、油種への対応力も高い。非常用発電設備、トラック用燃料設備、工場ボイラー·バーナー設備、原料輸送などなど、マツノ技研が手掛ける幅広いフィールドでその能力は発揮される。
「金属製でありながら自在に曲がる。これは配管に今まで考えられなかった自由が与えられます。配管自体が柔軟であることでズレなどへの対応能力も高い。その上、漏洩検知に優れている。日本のような地震大国において、災害対応という観点からの活用にもふさわしい選択です」と松野代表は力説する。さらにステンレス鋼パイプの外側を被覆する低密度ポリエチレンは自己消火性があり、有毒ガスを顕著に発生しないことからも災害対策に適っている配管なのだ。
もうひとつ、『BRUGG Pipes』〈コルゲート燃料配管〉で注目すべき点が螺旋構造。「コルゲート」とは「波形の、波打った」という意味を持つ。土木分野では一般的にコルゲートパイプといえば柔軟性のある波形鋼管のことで、材料の表面を波状に加工し強度や柔軟性を持たせた配管のことだが、構造上、パイプ内の流れに対して抵抗が大きくなる。その抵抗を抑え、流量の最適化を図るのが『BRUGG Pipes』の螺旋構造だ。波状の溝が一定方向に螺旋を形成していることにより流体がスムーズに導かれ、優れた流動促進効果を発揮するのだ。
秀逸な有用性と施工性、高い安全性を兼ね備えた、まさに次世代の配管システム。プラントの設計·施工·運用を“次のステージへ進める選択肢”になることは間違いない。

販売——日本での正規代理店
様々な欧州規格や米国UL認証取得など、数多くの厳格な標準化規格や安全基準を満たす『BRUGG Pipes』〈コルゲート燃料配管〉。マツノ技研では自社プロジェクトでの採用とともに、今冬より日本国内の正規販売代理店として製品販売を開始する。
「プラント全体に言えることでもありますが、配管という観点から言えるのは長く持たせること、事故を防ぐこと、その上でメンテナンスが簡易化されていることが大切。全国のさまざまな燃料施設でこの配管システムが採用されれば、施工の合理化、運用の高効率化、安全性の向上を同時に実現できます。誰もがうれしいプラント環境に近づけるはず!」と松野代表は語る。『BRUGG Pipes』〈コルゲート燃料配管〉で描く未来は、確実に明るい。


